介護福祉士『ルドルフ』のつれづれブログ

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【お題】二つの最も古い記憶

お題「人生で一番古い記憶」

一番古い記憶が二つ!?

私には一番古い記憶と言える物が二つある

どちらが最も古いかは理屈立てて考えればすぐに分かったが、主観的には同時期の記憶と思っている

どちらも三歳頃のものだと思われる

長い階段と階段落ち

まずは、当時住んでいた二階の木造賃貸住宅、その玄関前の長い階段を転がり落ちている記憶だ

玄関から階段下まで前転でゴロゴロ転がっている

ディテールを欠いているので、それ以上の記憶は殆ど無いけれど

痛みの記憶もないので、怪我などは何もなかったのだろう

小さい子供は体が柔らかいので、転倒などで怪我をしにくい

そんな話も聞いたことがある

階段から落ちている記憶だけははっきりしている

ところが、当時のことを親に確認しても、そんなことはなかったという

当時住んでいたのは間違いなく二階の賃貸住宅で、特徴も私の記憶通りだったらしいのだが…不思議である

軽トラックでお引越し

もう一つは、父が運転する軽トラックの助手席に座っている記憶

我が家に軽トラックがあったことはない

これは当時住んでいたところから引っ越すときにレンタルしたものらしい

つまり、例の二階の賃貸住宅からの引っ越しだ

これも、親に確認したところ軽トラックをレンタルしたのは間違いないらしい

ただ、私が軽トラックの助手席に座っていたかどうかも誰も覚えていないらしい

まあ、何十年も前のことなので、これは不思議ではない

どっちが古い?

時系列で考えれば、階段落ち→軽トラックの順で間違いない

何故なら、落ちた階段のある家からの引っ越しで軽トラックに乗っているのだから

ただ、私はこの理屈にちょっと釈然としないものを感じている

まず第一に、階段落ちが実際にあった出来事かどうか、はっきりしないことだ

親は記憶にないというし、私の記憶の中にしかない出来事

ただ、当時住んでいた賃貸住宅の特徴は押さえている

そこで考えたのは、私の頭が残っていた記憶をいろいろ組み合わせて、階段落ちの出来事を作り出したかも知れない、ということ

軽トラックの記憶も同様である

つまり、どちらも一番古い記憶と決められる決定打に欠けている

だったら、何が一番古い記憶なのか?

次に考えたのは、それぞれの記憶を要素に分けて、最も古いものは何かを判断することだった

最も古い記憶の"要素"

つまり、それぞれの記憶を作り出した材料を比較して、最も古いのはどの材料かを決めようと考えたのだ

私の頭が組み合わせた記憶なら、その素となった記憶があるのは自明である

まず、階段落ちは

・二階の賃貸住宅
・階段
・三歳?の私
・「落ちた」という出来事

次に、軽トラックは

・軽トラック
・助手席
・当時の父
・三歳?の私
・「乗った」という出来事

ディテールが少ないので、材料も大雑把である

だが、今回は材料が少ないお陰で、一番古い要素が何かを決めやすかった

先に述べたように時系列は、階段落ち→軽トラックではっきりしている

何のことはない

材料の古さもこれに準ずる

では、階段落ちの記憶の要素の中で一番古いものは?

賃貸住宅も階段も落ちたという出来事も、「当時の私」が見た記憶の欠片である

コギト・エルゴ・スム
「我思う故に我あり」 ではないが、どの記憶の要素も、「当時の私」に端を発する

ということで、最も古い記憶の要素は、

三歳の頃の私自身

である

おしまいに

ここまで持って回った考察を展開してきたが、結局自分自身についての記憶が一番古い記憶なんて、当たり前の話である

しかも、私の場合は階段落ちのときの自分についてはほとんど覚えていない

親なんて階段落ちの出来事自体なかったという

せいぜい、自分があの階段がある場所にいたらしいことだけが、はっきり事実として確認できただけだった

まあ、それで良いのかも知れない

こうして書いてきて、この記憶が何かの役に立つわけでもないのだ

これを読んだ皆様の時間をちょっと借りた他愛ない思考実験を喜んで貰えたのなら、これに勝る喜びはない