
もう一度、趣味に火をつけてみるという話 ― 本と小説と長崎の風景と
こんにちは、ルドルフです。 長崎の街を歩いていると、季節の移り変わりとともに昔のことをふと思い出すことがあります。年齢を重ねるにつれて、若い頃は当たり前のように続けていた趣味が、気づけば遠ざかってしまっている。そんな経験、みなさんにもありませんか?
今日は、そんな「一度は諦めてしまった趣味」との向き合い方について、私自身のエピソードを交えながらお話ししたいと思います。介護福祉士としての日常や、長崎人としての小さな気づきも添えて、ゆっくり読んでいただけたらうれしいです。
1. あの頃は毎日のように読んでいたのに
最近、ふと「昔ほど本を読めなくなったなあ」と感じることが増えました。 若い頃の私は、とにかく本が大好きで、一度読み始めると夜中まで没頭し、時には自分でも小説を書きたいと思ってノートを開いていたことさえあります。
ところが、介護の仕事を始めるようになると、生活リズムも気持ちの余裕もすこしずつ変わっていきました。 利用者さんとの関わり、書類、会議、夜勤……人生が「今やるべきこと」でいっぱいになってくると、読書の時間は自然と減っていきました。
とはいえ、まったく読まなくなったわけではありません。 ときどき思い出したように本を開くと、「やっぱり本っていいな」と静かな喜びがわいてきます。
この前なんか、長崎港の近くを散歩していたときに、ふと買っていた文庫本を取り出して読んでみたんです。 潮の香りと、どこか懐かしい海風。そしてページをめくる音。 その瞬間、若い頃の自分がふっと戻ってきたようで、胸の奥がすこし温かくなりました。
そのとき私は思いました。
「諦めかけていた趣味って、実はずっと自分の中で生きているのかもしれない」
2. 大人になると趣味が遠ざかる理由
40〜60代の読者のみなさんなら、こんな気持ちを理解してくださるのではないでしょうか。
若いときほど本を読めていない 昔は絵を描いていたけど今は筆を持っていない 旅行が好きだったのに、最近は行く気力が出ない
これらは決して「怠けている」わけではなく、むしろ非常に自然なことです。
● 時間の優先順位が変わる
仕事、家族、健康、介護、地域の役目…… 大人になるほど「やるべきこと」は増えていきます。優先順位が変わることは、ライフステージの変化として当たり前です。
● 心の余白が少なくなる
趣味はただの娯楽ではなく、「心に余白があるときに自然と手が伸びるもの」。 余白がなくなれば、どんなに好きなことでも触れる機会は少なくなります。
● しかし、趣味は脳と心の回復装置になる
介護の現場にいると、趣味を再開したことで表情が一気に明るくなる利用者さんをたくさん見てきました。 好きなことに触れる時間は、心のリセットボタンのようなものです。
3. 読書と創作と、私の小さな再挑戦
ここからは私の体験談を少し詳しく。
昔から私は文章を書くことが好きでした。小説家に憧れたというほど大げさではありませんが、キャラクターを考えたり、物語の筋を作ったりするのが楽しくて、何冊もノートを埋めたものです。
● 仕事が忙しくなると、趣味は「後回し」になる
介護の仕事をしていると、時間も体力も気力も奪われる日が多いものです。 だからこそ、自然と「やりたいこと」が後ろに追いやられてしまう。
気づけば、書く習慣はほとんどなくなっていました。
● そんな私がブログという形で再び「書き始めた」
ところが、不思議なもので「文章を書きたい」という気持ちは心のどこかにずっと残っていたようです。
とある日、ふと「ブログでも書いてみるか」と思い立ち、軽い気持ちで始めたのがこのブログです。 最初はメモの延長のつもりで書いていたのに、今では日々の出来事や心の揺れ、介護の現場での学びを言葉にする大切な場所になりました。
これは小説とは違うかもしれませんが、 根本は“言葉で世界を切り取る楽しさ”で同じ なんですよね。
● 読書も「細く長く」でいい
昔ほど読めなくなったとはいえ、本を読むたびに「ああ、自分はまだ読書が好きなんだな」と思えます。 月に1冊でも、年に数冊でも、十分すぎるほど「読書家」です。
介護の世界では「無理なく続けることが最も大切」とよく言いますが、趣味もまったく同じで、
細くていい、しばらく止まってもいい、また戻ってこれればそれでいい。
4. 介護福祉士として見てきた、趣味の効能
介護福祉士として働いていると、「趣味の力」を実感する場面は本当に多いです。
● 脳機能の維持に役立つ
読書、手芸、絵、音楽、園芸などの趣味活動は、脳の広い領域を使います。 特に前頭葉は「判断」「計画」「思考」「感情調整」を司り、加齢によって弱りやすい部分です。
趣味はこれらの機能をゆるやかに刺激してくれます。
● ストレスを減らす
心理学のデータでも、趣味はストレスホルモンを下げ、心拍数を安定させる効果があるとされています。 私自身、読書の時間は完全な「脳のリセットタイム」です。
● その人らしさが戻る
介護の世界でよく使う言葉に「QOL(生活の質)」があります。 好きなことをしている人は、表情、意欲、会話、判断が自然と豊かになり、「その人らしさ」が戻ってくるんです。
5. 諦めた趣味は、案外まだあなたの中に息をしている
もしあなたの中にも、
- 昔は好きだったけど、今は遠ざかってしまった趣味
- やらなくなったけれど、思い出すと少し胸が温かくなること
- 若い頃の自分が夢中になっていたもの
こんなものが思い浮かぶなら── それは、まだ心のどこかで生き続けている証拠です。
趣味は年齢で区切る必要はありません。 流行りで動く必要もありません。 細くても、途切れても、また戻ってきたらそれでいい。
私も、小説を書くという夢は形を変え、ブログとして戻ってきました。 本を読む量も減りましたが、そのたびに確かに「好きだ」と思える自分がいます。
長崎の穏やかな海のように、ゆっくりとした気持ちで、昔の趣味に少し触れてみませんか? もしかすると、あなたの日々にまた小さな灯りがともるかもしれません。
お読みいただき、ありがとうございました。